第3回  KPBライブトーク

これからのあそび方会議!

これからの公園の可能性についてさまざまなゲストと議論していく「KPBライブトーク」。2021年3月末の『KAKAMIGAHARA PARK BRIDGE(通称:KPB)』オープンに向けて、建設現場から9回にわたって配信していきます。第3回は、「森のわくわくの庭」の運営スタッフが、施設運営に対する思いや、これからはじまるKPBのあそび場のコンセプトについて語ります。若手3人は初めての生配信参加!果たして上手くいったのでしょうか?

【 メンバー紹介 】

「森のわくわくの庭」ってなんだ?

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これまでのライブトークは建設中のKPBからお送りしていたのですが、今日の現場の気温が2℃…ということで、本日は「森のわくわくの庭」輪之内店からお送りいたします。皆さんよろしくお願いします!
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よろしくお願いします!

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ところで、僕はあまりこの森のわくわくの庭がどういうところか分かっていないんですけど、ここはどういう場所なんですか?

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森のわくわくの庭は養老店と輪之内店の2店舗あるんですが、一番大きな特徴は全天候型でいつでも遊べるということです。また、店内のあそび場は国産の木をふんだんに使っています。両店とも中に入るとすごく木のいい香りがして、ご家族でのんびり過ごせる場所になっています。

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普段からご家族連れの方がほとんどですか?

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そうですね。特に平日だと赤ちゃんや3歳未満のお子さんとお母さんという組み合わせだったり、休日だとご家族3世代で遊びに来て一日中過ごされる方もいらっしゃいます。

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なるほど。ファミリー向けの施設なんですね。

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(上の写真の)左側2枚が養老店の画像です。養老店は大きなすべり台や体を使って遊べる遊具が多くあります。右側2枚が輪之内店の画像です。一番の特徴は施設内に大きな人工芝が広がっていることですね。ボールプールなど小さいお子さんが遊びやすい遊具も多くて人気です。

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へえ~他にも積み木がたくさんあったり、木の迷路があったり。子どもだけじゃなく大人も遊びたくなるような、おもしろい施設ですね。

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ありがとうございます!

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そして3店舗目がKPBということですね。ちなみに、森のわくわくの庭では普段どんなイベントをしているんですか?

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一番最近ですと、「アトリエ迷路」というイベントを開催しました。折り紙や不織布、毛糸など、さまざまな色・素材のものを使って、“巨大な段ボール迷路”を子どもたちに自由に創作してもらいました。スタートしたのが秋だったこともあって、“芸術の秋”をイメージしています。子どもたちの作品を1つ1つくっつけると巨大な迷路になる仕組みなんですが、つい先日完成しました!

私の中で美術館は迷路っぽいイメージがあるので、“作品を見ながら迷路で遊べちゃう美術館”というコンセプトでイベントの企画をしました。養老店に来ていただけるとアトリエ迷路で遊べますので、ぜひお越しください!

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思っていたより迷路が結構大きくなったよね。

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大きいし、重い(笑)。「そういう素材の使い方があったのか」「そんな色の組み合わせもあるんだ」と、私たちの想像を超える作品がたくさんあって。イベントという違った目線から子どもたちの行動やあそび方が見れましたし、お子さんにとってもすごくわくわくするイベントになったと思います。

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なるほど~。遊びについて色んな取り組みをされているとは思うんですけど、コロナの影響はどうでしたか?この施設で工夫されている点があれば聞かせてください。

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去年の3~5月ぐらいはコロナの影響をすごく受けて、休業もしていました。コロナ前は入場制限をしていなかったので、休日などは館内が人であふれかえってましたね。人が多すぎて、「お客さんは楽しめているのかな?」と心配になるぐらいの混み具合でした。

これまで通りだといわゆる3密になりやすい環境になってしまうので、営業再開するときは運営方法を見直しました。今は事前予約制で1日の入場者数を制限したり、定期的におもちゃ・あそび場の消毒を行ったり、お客さんにもご家族単位で分散してあそび場を使っていただくようにお声がけしています。コロナの影響で結果的に変わらざるを得なかったんですけど、今の体制の方が来場者は遊びやすくなったのかなと思います。

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コロナの影響が出る前と後で、入場者数は変わったんですか?

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そうですね、やっぱり入場制限をしていることもあって、コロナ後は来場者がかなり少なくなりました。去年の6月中旬に営業を再開したのですが、再開直前は今まで来てくれていたお客さんが戻ってきてくれるのか心配でした。でも、インスタで「感染対策をしていて安心だった」と口コミを投稿してくださる人もいて、徐々にお客さんが戻ってきてくださっていると思います。

家族でゆっくり過ごせる思い出の場所に

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そうなんですね。ところで今施設を見ていて気になったんですけど、ここって、あそび方は決まっているんですか?

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施設としては、子どもたちに「こういうふうに遊んでね」とあまり言いたくないなと思っています。例えば輪之内の芝生広場は「どう遊ばれるんだろう?」と最初は思っていましたけど、子どもはただただ走り回ったり、大人もくつろいで気づいたらお父さんが寝てしまっていたりとか、あそび方を決めないことで、運営側の想像を超える使い方をお客さんが見つけてくれます。「危なくなければOKですよ」というゆるさを大事にしています。

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3人は普段この施設を見ていると思うんですけど、今まで、「これはおもしろかったなあ」というお客さんのあそび方ってありますか?

(ざわざわ・・・

なんだろう・・・あれ言ったら?)


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あそび方じゃないんですけど、ちょうど芝生の奥の方に2メートルぐらいの木の柱が立っている箇所があって、運営としては遊具とも思っていなかったその柱に、お子さんが木登りみたいに登っちゃうんです。はじめは「危ないよ~」と声がけしていたんですけど、「子どもが楽しいならOKかな?」と思い注意しなくなりました。

なんですが、子どもが滑り落ちて、細い木の柱の間にすぽっとハマってしまうというトラブルがたまにあります(笑)。

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総出で救出してますね(笑)。

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「スタッフさん!足が抜けなくなっちゃって…!」と言われて、出動します。抜き方のコツとしては背中を抱えて上に持ち上げると抜けやすくなります。ひざは伸ばして…。

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可奈さん、プロなんで(笑)。

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子どもがそういう格好でハマっちゃうって想定してないですもんね。

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笑い話で済むのでまだいいんですけどね。あと、一つ伝えたいのが、森のわくわくの庭はすごくいいお客さんが多くて。木の柱に足がハマったときも、スタッフに声をかけてくれるのってその子どもの保護者じゃなくて、別のお客さんだったりするんです。

迷子の子どもを、他のお客さんが連れてきてくださったこともあります。そういったことが結構あって、それがクレームになるわけでもなく、何となく雰囲気がほっこりして終わるので、それもまたこの場所の魅力なのかなあと感じています。

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僕も以前、自分の子どもを連れて遊びに行ったことがあるんですけど、勝手に色んなところに行っちゃうんですよね。それっぽいところを見つけて、それなりに遊んでいて。それを見ていてすごく面白いんです。親として意図していないんですけど。「何でこんなところに潜り込んでるんだろう?」とか(笑)。

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「それ楽しいの?」と思うときもあります(笑)。

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大人になると、子どものときより自分を解き放つことができないというか、感覚的な遊びができなくなると思うんですよね。そういう子どもの姿を見ると、昔の自分を思い出します。

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森のわくわくの庭では大人の過ごし方も特徴的ですよ。館内にカーペットのエリアがあってフラフープを置いているんですけど、営業中に巡回していると、「あのお父さんフラフープ全力でやってる!」とか思うこともあります(笑)。

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あはは、そうなんだ(笑)。

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輪之内店の芝生でも、お父さんお母さんが昼寝していたりしますよ。お子さんだけをターゲットにしている場所というよりは、家族みんなでくつろいでもらうのを大事にしているので。大人も、子どものために来るというのはもちろんあると思うんですけど、大人も思わずくつろいじゃう。子どもと遊びに来て、大人が思いっきり昼寝するってなかなかないと思うんですよね。

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確かに、子どもを公園に連れて行ってがっつり昼寝はしないかな(笑)。

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養老店はハンモックやソファ、畳のエリアなどくつろげる場所があるんですけど、畳でクッションを敷いて寝ているお父さんとかもいて。夏休みの時期に畳の場所で4~5人ぐらい、個々で寝ていることもありました。

かなりおもしろい光景というか、スタッフの間で「今日寝てる人いっぱいいるね~」と話したり(笑)。そういう、大人も楽しんだりくつろいだりしている姿を見ると、それがこの店舗の特徴なのかなあと思って嬉しい気持ちになります。

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自分が仕事中に大人の寝ている姿を見る機会はめったにないと思います(笑)。おもしろい職場ですね。森内くんはどうですか?

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「森のわくわくの庭ってどういう場所?」と聞かれて答えに困ることが多くて、遊園地ではないし、木育施設?というのも違う気がするし…。ただ理想としては、 「家族でゆっくり過ごす場所」「思い出になる場所」になってほしいと思っています。なので、「家族の写真撮ってください」とお声がけいただいたりすると、特別な1日になっているのかなあと思ってすごく嬉しいです。

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僕の知り合いの人がたまたま年賀状を送ってきてくれたんですけど、森のわくわくの庭で撮影した写真でしたよ。

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え~嬉しい!

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うちの子の写真を撮ったときもすごくきれいに撮れて、うちのおばあちゃんも喜んでました。子どもだけじゃなくて親やおじいちゃん・おばあちゃんもゆったりできるのかなと思います。

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平日だとおじいちゃん・おばあちゃんとお孫さんという組み合わせで遊びに来てくださることもあります。その組み合わせで遊びに出掛けることって自分はなかったので、そういう光景を見ると嬉しいですね。

KPBのあそび場はどうなるの?

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なるほど。この森のわくわくの庭のあそび方がなんとなく見えてきたかなと思います。そこで3店舗目のKPBではどんなあそび方ができるのかお伺いしたいです。今お伝えできる範囲で教えてください。

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KPBは各務原市の「学びの森」と「市民公園」という2つの公園の中間に位置する屋内施設になります。その施設の中に「遊び創造labo」という屋内のあそび場ができます。

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遊具の特徴としては、あそび場の中に巨大なネットがあって、よじ登れるような場所ができます。1Fには大きな坂ができる予定です。その坂はすべってもいいし、よじ登ってもいいかもしれないし、あそび方は決まっていません。

今までの店舗よりも比較的ダイナミックな遊具ができるかなと思います。もちろん小さいお子さんが遊べるスペースもあるので、幅広い年代の方に遊んでもらえると思います。

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小野さん、気になるところありますか?

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そうですね、僕もはじめてこの画像を見たんですけど、結構突っ込みたいところがたくさんあって(笑)。

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ぜひ教えてください!

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この完成予想図を見て思ったんですけど、これ、まあまあ危険じゃないですか?

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もちろんお子さんが遊ぶ場所で、ケガはない方がいいと思います。安心・安全な場所で遊ばせたいという保護者の気持ちもあると思うんです。ただ、お子さんのあそび方を運営側が制限しないということは気を付けていて。

この建物は今工事中で、私たちもまだどうなるんだろうという感じで実感はわかないんですけど、お子さんがこのあそび場で自由にあそび方を考えてくれたらなあと思っています。その思いは「遊び創造labo」という名前にも込められています。

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いや~、養老店、輪之内店と比べて、スタッフから見てどうですか?可奈さん。

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そうですね、一番は 「怪我をする経験も実は大事」という思いですね。今のお子さんって火を見たことがなかったり、火の起こし方を知らなかったり、火を触ってはじめて熱いと感じるという話を聞きます。

身の危険を感じる経験をすることで「危ないからやめておこう」「危ないけどここまでは大丈夫だから、挑戦してみよう」ということを子どもが自分で判断する。そうした力が自然と身につくんじゃないかなと思います。そのあたりは遊び創造laboのHPにも理念が書いてあるので、良かったら読んでみてください。

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見た感じもそうですし、2人から建物に対する思いを聞くと、相当攻めたことをしているなあと思います。どういう経緯でこうなったんですか?

というのも、子どもって勝手にあそび方を覚えるとは思うんですけど、KPBは本気で子どもたちを遊ぶ気にさせるような仕掛けをつくっているなと感じて。そこに至るまでの経緯を個人的に聞きたいなと思いました。

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そうですね、詳細は今後のライブトークで担当の設計士やアイデアマンに託したいと思いますが、運営の私たちからすると「危なくないかな」と心配にはなります。

逆に、心配しようと思えばいくらでもできるというか、危ない箇所をあげればキリがないとは思うんです。でも、子どもの創造力を膨らませたいという設計の思いを尊重したいし、ぱっと見どういうあそび方をするのかわからない、だからおもしろいというのは絶対にあるなと思います。

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なるほど。ライブトークはあと6回あるので、この先もっと具体的なお話を聞けるのが楽しみです。可奈さんはどうですか?

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2つの公園のちょうど真ん中に施設ができるということで、公園と連携した企画を考えているんですけど、ぜひ森内くんに紹介してもらえると嬉しいです!

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(回ってきた…汗)遊び創造laboの中で存分に遊んでほしい気持ちはあるんですが、そこで終わってほしくないという思いも同時にあって。

せっかく緑豊かな2つの公園に囲まれているということで、公園で遊べる遊具がレンタルできるような仕組みを考えています。まだ詳細は伝えられませんが。外遊び用のおもちゃやポップアップテントなど、そいうったレンタルを実施する予定です。外でも中でも遊び尽くしていただきたいなと思っています。

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僕、公園が近いのでよく行くんですけど、テント広げてる方とかいらっしゃいますよね。今まで遊ぶ道具やキャンプ用品のレンタルはなかったので、ニーズはあると思います。

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ありがとうございます。あと個人的に、今ってモノを持たない風潮があると思うんですけど、僕個人もそうで(笑)。使うかどうかわからないモノを買うハードルが高くなっていると思います。

レンタルをきっかけに、公園でのくつろぎ方の幅が広がったら嬉しいです。それと、借りるってことは他の人も使うことになるので、モノを大事に使ってルールを守るということも大事にしていただけると嬉しいです。

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確かに、自分がただ持っていて使う場合と他の人も使う場合って、使い方が全然違ってきますよね。あの公園にもそういう使い方が合っていると思います。

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はじめて学びの森に行ったときに、あまり注意看板がないことに驚きました。「〇〇しちゃだめ」みたいな看板が結構あると思っていたんですけど、見つけるのが大変なくらいで。

でも、ゴミがひとつも落ちてないし、皆さんが公園を大事にしていて、譲り合って大事に使おうという気持ちをすごく感じました。KPBがあの公園の間にある意味合いもあるし、シェアリング・レンタルの企画とすごく合うなあと思いました。

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今まで色んな公園行ってるんですけど、僕もあの公園にすごく愛着を持っています。何がっていうとよくわからないんですけど、身近だからというのもあるだろうし、これからも大事にしていきたいなあっていう部分がすごくあって。公園の楽しみ方、過ごし方もKPBができることで変わってくるんじゃないかなと思います。

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遊具レンタルをすることで、創造laboで借りて公園で遊ぶという往来が生まれると思います。KPBという施設の名前には「2つの公園をつなぐ橋のような存在になりたい」という意味が込められています。外の空間と遊具レンタルを活用すれば 公園の新しい使い方が生まれるし、エリア全体を盛り上げる存在にKPBがなれればいいなと思います。

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みなさんと一緒に仕事しはじめて半年ほどですが、こういうふうに使いたいっていう3人の思いを聞くのがはじめてで。僕はとっても嬉しいです。

最後にこれだけは伝えたいということがあればお願いします!

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公園との連携企画についてなんですが、遊び創造laboの中に「創造ラボスペース」を作ろうと思っています。公園に落ちている木の実や葉っぱを拾ってきて観察したり、工作したりする場所になる予定です。

外で遊ぶだけじゃなくて、外で拾った・ひらめいた・ときめいたモノを持って帰って、観察・工作できる場所を提供したいなあと思っていますので、お楽しみに!インスタグラムも随時更新しますので、覗いてみてくださいね!

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ライブトークの最後の回ではもっとお伝えできることが増えると思いますので、チェックしてください!

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みなさんそれぞれがワクワクしながら建物の使い方を考えているのがとってもいいなあと思いました。子どたちを見ながらできる仕事っていいですね。これからも想定しなかったことが日々起こって日々変化してくると思いますが、僕もお話を伺ってワクワクしました。今日はどうもありがとうございました。

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ありがとうございました!


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